更年期に向けてのカラダとココロの対処術

自己健美力を高めて更年期に備えよう

実年齢よりも若々しい体や心、さらには将来の健康と美まで自分自身で高めることができる力を「自己健美力」と呼んでいます。更年期に見られるような、老化が原因の不調に対処していない場合は、「自己健美力の低下」ととらえることもできるでしょう。
そこで、上手に活用したいのが漢方のちから。プレ更年期や更年期にみられるような病名のつかない不定愁訴への対処に漢方は非常に適しています。ここでは、自己健美力を高めるポイントとして、「漢方」と、今から気をつけたい「生活習慣」や「心の持ち方」についてご紹介します。

① 漢方は女性の味方

漢方では、生命活動を営むエネルギーである「気(き)」、血液を意味する「血(けつ)」およびリンパ液や汗などの血液以外の体液を意味する「水(すい)」が、カラダの中を滞りなくめぐっている状態を「健康」と捉えます。「気血水」はお互い関連し、影響を及ぼしあっています。

生命活動を営むエネルギー

更年期にはこの気血水のめぐりや働きが悪くなることで、多種多様の症状があらわれると考えられています。
東洋医学は“バランス医学”と呼ばれ、漢方薬は乱れたバランスを改善するように働きます。昔から女性の不調には漢方が使われてきました。
このように、漢方は女性の味方であり、「更年期の不調には漢方で対処できる」ということをあらかじめ知っておくだけでも、気持ちが軽くなるのではないでしょうか。
また、プレ更年期の時期から気血水のバランスが崩れていると、本格的な更年期を迎えた際には、程度の差はあるものの、一層、症状が酷くなります。逆に、プレ更年期の時期に気血水のバランスを整えておくことで、更年期に気血水の乱れによる症状があらわれても、症状が重い更年期障害にならなくて済みます。そのため、「早め」かつ「こまめ」に対処することも大切です。

② 生活を変える3つのポイント

生活習慣を変えるのはなかなか難しいことかもしれませんが、気血水のバランスを整えるために、まずはできることから少し生活意識を変えてみましょう。

・肩の力を少し抜いてみる
20代~30代はプチ不調で立ち止まることをせず、深刻な不調になってから体調の悪さに気がつくことが多いもの。ですが40代に入ったら、意識的に肩の力を少し抜き、心身の変化に耳を傾けて、ちょっとした不調の段階で立ち止まる習慣をつけてみましょう。

・嗜好の変化に敏感になる
嗜好が普段と違うことは、カラダのバランスが崩れていることのサインとも言えます。この変化に気付くのが早ければ早いほど、自己健美力は下がりません。

・食事は賢く頭で食べる
健康と美容はまず食事から。「冷え」が気になるときにカラダを冷やすトマトやなすが食べたいと思ったら、カラダを温めるショウガやかぼちゃも一緒に食べるなど、食習慣をひと工夫することは、自己健美力を高めることにつながります。

③ 心の持ち方を変える4つのポイント

プレ更年期や更年期ではココロとカラダの両方に症状がでます。漢方ではココロとカラダは一つである「心身一如」という考え方があり、ココロとカラダのバランスを保つことが大切になります。

・ワクワク・ドキドキで「血」のめぐりを促進
「喜ぶ」という感情は、漢方の「心」と関わっています。「心」は心臓の役割でもある血液循環と関連があり、また、覚醒・睡眠リズムの調整をしています。このため、趣味などを通じてワクワク・ドキドキすることは、血のめぐりを促進する方法のひとつ。そういった機会を作ることは、日常と非日常の「オン」と「オフ」の切り替えにもなります。

・過度な感情に振り回されないで「気」の働きを整える
漢方では感情は「気」の巡りに影響を与えると考えます。「喜ぶ」に加え「怒り」「思い悩む」「悲しむ」「憂える」「驚く」「恐れる」の人の七つの感情(七情)は、度が過ぎると不調の原因となり、「気」が少なくなることで老化を早める恐れもあります。

・鏡を取り出し笑顔を映すことで気持ちを前向きにする
気分が落ち込んだり、気持ちに余裕がなくなったときには、鏡を取り出し、口角を上げて笑顔をつくってみましょう。こわばっていた顔の表情が緩むことで、一呼吸置いて落ち着くことができ、少し前向きな気持ちになれます。笑うことは、脳の活性化にも関わると言われています。

・背中の筋肉をゆるめてココロもリラックス
自律神経のバランスが崩れて、イライラなど気持ちが昂ぶった状態では、筋肉も緊張します。特に、頚(くび)から背中にかけての筋肉が張っていると、リラックスできません。ずっと興奮していると感じたら、首のうしろをホットタオルで温めたり、背中の肩甲骨あたりをマッサージしたり、檀中(だんちゅう)(左右の乳首を結ぶ線の中央)をお風呂に入ったときに押してみることがオススメです。