冷え症とは、「普通の人が寒さを感じないくらいの環境で、手足や腰、または全身が冷えてつらい状態」のこと。
この状態、あてはまる人も多いのでは?
西洋医学では、原因疾患がはっきりしない冷え症を病気として扱いませんが、漢方医学では、冷え症は治療対象。まさに、漢方の得意分野なのです。
食事は、その約80%が熱エネルギーをつくることに使われるといわれています。栄養バランスが悪いと体内で十分な熱をつくることができず、それが冷え症につながることもあります。また、胃腸が虚弱な場合も、うまく栄養を取り込めないので、体が冷える原因に。
体が1日につくる熱の約60%は、筋肉によって生み出されています。つまり、筋肉量が少ないと、熱を作り出す機能も低下するということ。特に足の筋肉には、血液を循環させる役割もあるので、筋肉量が少ないことや、運動不足などが原因で、血行不良やむくみを引き起こす場合があります。また、新陳代謝が低下すると、エネルギーを生み出しにくくなってしまいます。筋肉量の減少や新陳代謝の低下は、基礎代謝の低下を招きます。
自律神経とは、呼吸、血圧、脈拍、体温などを自動的にコントロールしている神経で、交感神経と副交感神経からなっています。この2つのバランスがくずれると、体温調節がうまくできなくなります。自律神経を乱す原因には、ストレスや寒暖差、女性ホルモンの乱れや低下などが挙げられます。
漢方では体内の「気(き)・血(けつ)・水(水)」のバランスが乱れた、下の3つの状態が冷え症の原因と考えられています。このバランスが整い、めぐりが良くなることが、冷え症の改善につながります。
漢方では、「気の低下」も冷え症の原因と考えられています。気の低下が、瘀血や水毒を助長させてしまう可能性があります。元気、気力、気合の「気」は、この「気が」由来なんですよ!
血液の循環が悪いことから、生理痛や月経異常、肩こりなどの症状が現れることも。
消化器官に過剰な水が溜まってしまうと、胃腸が弱り、消化機能も低下。冷たい飲み物を摂りすぎて、胃腸の機能が低下してしまうケースもこの「水毒」にあたります。